Guam  丘の上のリゾート・レオパレス

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【 スムージィ 】

スペイン広場を出たあと、バスはタモン・サンズプラザという名のブランド専門店街に到着した。 もう疲れて眠くなっていたうさぎたちはバスを降りず、昼寝の時間に当てることにした。時刻は2時半ごろ。 ここで寝ておかないと、子どもたちは体がもたない。なかなか寝つけないでいるチャアをも眠るように促して、4人で眠った。

一時間ほどしてバスはタモン・サンズプラザを出発し、4時頃ウェスティンホテルに戻ってきた。
バスが止まると、きりんとネネ、うさぎの3人はすっきり目を覚ました。けれどチャアはぐっすりと眠ったまま。 切替えの早いネネは、ウェスティンに着くとすぐ「プール、プール」と大騒ぎ。
「もう4時だから、プールは明日にしよう」と言ってみたが、そんなことで引き下がるネネではない。
「グアムに行ったら毎日プールに入れるって言ってたじゃない!」と食い下がる。
仕方がないので、チャアをロビーのソファに寝かせ、きりんとネネだけでウェスティンのプールへ行ってもらうことにした。 「一時間だけ」という約束で。うさぎはその間、チャアの横で絵はがきやメモでも書いていよう。

きりんとネネがプールへと消えて、うさぎはチャアの横でウェスティンホテルのロビーを見回した。 大きなクリスマスツリーが立っている。 薄暗い落ちついたロビーは、上の方までずっと吹き抜けで、真ん中にシースルーのエレベーターが通っている。 都会的な雰囲気のホテルだ。

ラウンジに家の形をした可愛らしいクリスマスケーキが飾られていて、$20という値段がついていた。 これを買ったら、さぞかしネネとチャアは喜ぶだろう。 でも、昨日クリスマスクッキー(しかも全然おいしくない)を買い込んでしまったから、食べきれない。うーん、残念。

5時過ぎにきりんとネネがプールから帰ってきた。喉が乾いたというので、うさぎはセブンイレブンに飲み物を買いにいった。 朝は気がつかなかったが、飲み物は大きいコップで買うほど割安になっていて、 一番小さなコップだと 300ccくらいで¢80なのに、1リットルも入りそうな一番大きなサイズでも$1.45なのだった。 うさぎはこの大きなコップでみんなを驚かせたくて、朝きりんに好評だったレモン味のドリンクを注ぎ、 一番小さなコップに苺味のスムージィを注いで買った。

3人のもとに帰り、ジュースの大きさを見せると、きりんもネネもびっくり! 皆で飲んだが、飲んでも飲んでも、一向に減らない。 ネネは専らスムージィが気に入ってジュースには興味が薄く、 うさぎも果汁の入っていないウソっぽい味のする飲み物は苦手だ。 結局、ジュースはレモン味の好きなきりんの担当ということになった。 でも本当は、きりんもスムージィの方が気に入っているのだった。
‥とそのうちに、チャアが目をさました。そして、ネネが持っているスムージィを見ると、とたんに不機嫌になった。

「チャアも〜!!」

あーあ、本当に今日は朝からチャアの不機嫌に祟られっぱなしだ。 でもまあ、80セントのスムージーでチャアの機嫌が直るなら安いものだ。 ウベアイスでチャアの機嫌が直った経験から、二匹目のドジョウを狙い、きりんとうさぎは子供たちをロビーで待たせて、 またセブンイレブンへ足を運んだ。 そしてきりんがチャアのために、チェリーだか何だか、苺とは別のフレイバーのスムージィを、紙コップに注いだ。

ところがここで大失敗!! スムージィの出てくる蛇口を無防備にひねったものだから、ものすごい勢いでスムージーが飛び出し、 辺りはスムージィのアワだらけになってしまった。 うさぎは呆れて、大笑いしながらも、レジにいた店番を呼んで事情を話した。 店番のチャモロの女の子はニコリともせず、事務的にモップで床を拭いた。うさぎは思わず笑顔を引っ込めた。

新しいスムージィは、苺のと、色も味も大して変わらなかった。 すでに1リットル分のジュースと300cc分のスムージーがあるのに、またもうひとつスムージー‥。 3つのカップを見ていたら、なんだかすごーく馬鹿馬鹿しいような気がして、イライラした。
そして。この大量の飲み物はうさぎをイライラさせただけでは終わらなかった。 6時半にレオパレス行きのバスが来た時、巨大なレモンドリンクはまだ半分近くも残ったままだったが、 勿体ながり屋のきりんがこれを持ったままバスに乗った。 そして、よせばいいのにエアコンのガンガン効いたバスの中でも飲み続けた挙句、きりんはひどくお腹を壊したのだった‥。

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