今回うさぎたちが泊まるリーフホテルは、ウェスティンの隣りである。
2年前、リーフホテルはちょうど外壁をピンクに塗り替え終えたところで、右隣に建ったばかりのウェスティンや、
左隣の高級ホテル・ハイアットリージェンシーに挟まれても、凛として輝いて見えた。
だから今回、藤和グループのリーフホテルに泊まると知った時から、
うさぎは「ああ、あの素敵なホテルに泊まるのか」と、楽しみにしていた。
リーフホテルのエントランスはホテルロードから奥まったところに設えられており、
ホテルロードからエントランスまでの椰子の並木に掛けられた電飾が、真夜中にも係わらず、
うさぎたちを楽しげに出迎えてくれた。
エントランスのドアを入ると、目の前に広がっていたのはラウンジと、地下へ下りる階段。
フロントは一体どこに‥?、と思ったら、フロアの左手置奥の方にあった。
ホテルの大きさに比して、随分こじんまりとしたフロントである。
係員がチェックインをものの一分で済ませてくれたので、
〔よし、これで部屋へ直行、すぐに寝るぞ!!〕と思ったが、なんと。
「お部屋の用意ができておりませんので、ラウンジでコーヒーを召し上がりながら、しばらくのお待ちを」と、
ホテルの日本人係員に言われてしまった。
おいおい、昼間じゃあないんだよ。
真夜中に、まだ部屋の用意が出来てないってどういうこと?!
しかも、その「しばらく」とは、小一時間のことだった。 うさぎはラウンジの椅子にだらしなく腰掛け、眠い目を瞬きながら、飲みたくもないコーヒーを飲んだ。 他にも6〜7人の日本人が同じようにラウンジ待機を強いられていた。
「ねーえ。お部屋の準備ができていない、ってことは、
いま準備しているってことでしょう?
この国のルームメイドさんたちって、こんな真夜中に働くのかしら?」
とは、ままりんの素朴な疑問。うーん、どうなってるんだろうねぇ‥。
結局「お部屋の準備が出来た」のは夜中の2時半過ぎだった。 うさぎとままりんはエレベータで17階の部屋へと急いだ。
部屋は、柔らかいグリーンのファブリックが素敵で、女性的な感じだった。
何よりもうさぎを喜ばせたのは、洗面台に置いてあったアメニティグッズ。
二段になった籐の籠の中に、巻き貝の形をした石鹸やシャンプーが入っている。
さすが日系のホテルだけあって、そこには歯ブラシや髭剃りまであったが、
その箱には南国リゾートの風景が描かれている。こういうちょっとした遊び心っていいよね♪
それに日系のホテルと言えば、スリッパが部屋にあった。やっぱりスリッパは日本人の必須アイテムよね。