サンドキャッスルからホテルまでは5分と掛からない距離なので、おみやげを捜しながら、 のんびり歩いて帰ることにした。さすがにこの辺は不夜城、夜の9時現在でも、店は煌々と明かりを付けている。
最近出来た水族館の前を通りかかったので、入ってみることにした。 世界最長のトンネル型水槽が自慢の水族館である。
だが。受付で一人22ドルという入園料を見たら突然、ままりんが「もう、帰ろう」と言いだした。
「魚は昨日見たし。
トンネルだか何だか知らないけど、たかが水族館じゃないの。
昨日見たのなんて、海よ。ホンモノの海なんだから!」
と言うので、うさぎは笑ってしまった。
確かに、水族館に二人で5000円以上というのは高い気がする。
けれど、いつものままりんなら平気で払ってしまう金額でもある。
きっと、サンドキャッスルから帰ってきた今のままりんは、"ぼられる"ことに過敏になっているのだ。
そのあと、うさぎはセブンイレブンで垢すりを見つけた。
昨夜は垢すりがなくて体をちゃんと洗った気がしなかったので、欲しくなった。
「ねえママ、今日お風呂に入るとき、垢すりがあったらいいと思わない?」とままりんに尋ねると、
ままりんも同意した。けれど、
「4.5ドルなんだけど‥」と言うと、ままりんは言った。
「まああ! 500円もするなんて、ばかばかしい!
日本だったら100円ショップで買えるわよ! 日本の5倍じゃない!
いいわよ、今日一日ぐらいタオルで体を洗っても。
タオルだって、けっこう垢が落ちるんですからね!」
ままりんが力強く主張するので、うさぎは垢すりの購入を断念した。
ウ〜ン、これは相当重症かも‥。
と思いつつ。
またしばらく行くと、両替屋の看板があった。
「1万円につき76ドル」
と書かれている。それを見てままりんが憤慨した。
「まあ! サンドなんとかの売店じゃあ73ドルにしかならなかったわ!
たった1〜2分歩いただけで、あそこの売店、3ドルも稼ぐのね!」
あああ、グアムという島は、カンペキにままりんを怒らせてしまった。 一人100ドル以上もするツアー代金だけではまだ足りずに、あの手この手で稼ごうとするサンドキャッスルのせいだ。 それに昨夜のポリネシアンショーの薄いジュースのせいもあるかも。
翌日、DFSでうさぎが注文した6.5ドル(800円)のラーメンに大して具が入っていないのを見て、 ついにままりんは言った。
「ここは何でも高いのねえ‥」
と。
「うさぎが誘ってくれたグアムってホントにいい島だったわ」と思ってもらいたいのに、
一体どうしてくれるのっっ?!