個人手配なんてカ〜ンタン!
昨年ブルネイ行きで一度やったんですもの。
最初にエア、次にホテルを予約するだけでしょ?
なあんて最初は気楽に構えたうさぎ、でもそれは大間違いでした。
ちょっと変化球を投げられたら、もうパニックしちゃった。
どうしよう、どうしよう〜〜〜?!と一晩悶々とした挙句、
結局エイミーに泣きつきました。
エアチケットが確定しないこと、
たぶん無理だろうと思っていた宿にダメモトで打診したら
思いがけず空きがあったことなど、今の状況をかいつまんで説明すると、
個人旅行の神様はこうおっしゃいました。
「それは、ホテルにまだエアが取れていないことを説明して、
キャンセルの条件を問い合わせるしかないわね」って。
「うーん、やっぱり〜?」とうさぎ。実は頭のどこかでうさぎも分かっていたのです。 だけど、それはすごーく気が進まなかったの。 「エアも取れてないのに予約を入れようなんて思うなよな」ってホテルに思われそうで。
「ねえ、キャンセルの条件って、直接ホテルに聞かなくちゃダメ?
たとえば現地の旅行代理店とか、他に知っていそうなところに尋ねるんじゃダメかしら」
って言ったら、
「もちろん、それでも構わないわよ。もしその店を通して予約する気があるならね」
と言われてしまった。
「そうでないなら、使う気もない店に尋ねる方が、よっぽど気が重いでしょうが」って。
うさぎ、エイミーのこういうところが好きなの。 この人は個人旅行の達人で、いろんなやり方を知っているけれど、 それは決して裏ワザ的ではない。実に正攻法なのよね。 慣れているけど、すれていない。 人の好意の上にあぐらをかいたり、 美味しいところだけちゃっかりすくって食べるようなところがまるでない。 うさぎは、使う気もない代理店から情報だけ聞き出そうなんて考えを抱いた自分が 恥かしくなりました。
「でもねー、とってもいいホテルで、返信メールもすごく感じがよかったのよ。
なのにキャンセルの条件なんか尋ねてすげなくされたら悲しすぎない?」
と、なおもうさぎがグダグダ言うと、
「そういうホテルを良いホテルとは言わないわ。
そんなホテルはこちらから願い下げ。他をあたるべし!!」とエイミー。
「あのねえ、うさちゃんは、もう絶対そこ!って決めちゃってるみたいだけど、
もうちょっと調べてごらん。いい宿はきっと他にもたくさんあるから」。
‥ああそうか、その宿一つにこだわりすぎるから、気も重くなるんだわ。
ホテルとの相性を探るつもりで、メールを書けばいいのかもしれない。
そんなわけで、うさぎは重い腰をあげ、ホテルにメールを書きました。
前金の額と、キャンセル料のかかってくる時期について教えてください。
実は、バリ行きのエアチケットがまだとれていないのです。
出発の一月前にならないと発売にならないチケットなのです。
そのチケットがもし取れなくても、他の方法を探すつもりではおりますが。
それで、上記のような質問をした次第です。
‥って、ちょっと言い訳がましかったかしら?
まあいいや、気が変わらないうちに出してしまおう。
お返事はその日のうちにきました。 ドキドキしながら開いてみたら、
当方では前金の必要はなく、カードナンバーも必要ありません。
キャンセル料がかかるのは、到着日の7日前からです。
バリへの航空券がとれるといいですね。
航空券が確定する前でかまいませんので、部屋の予約をお待ちしております。
ですって!
もううさぎ、感動して涙が出そうになっちゃった!
絶対キャンセルなんてしない!
なんとしてでもバリにたどり着くぞ!って思いました。
すぐさま返信を出して、部屋に予約を入れたのは言うまでもありません。
さて、遅ればせながら、そのホテルをご紹介しましょう。
バリ島は「ウブド」という高原の芸術村近くに位置するホテルです。
名前を「
アラム・ジワ
」といいます。
部屋が10室しかない小さなホテルです。
うさぎがこのホテルを知ったのは、 チェックインバリという バリ島のキーサイトでのことでした。 そのサイトの管理人さんが、絶賛していたの。かいつまんで言うと、
部屋がとても広くて、窓からの眺望が抜群。
スタッフは非常に温かく、朝食が美味しい。
ウブドの中心まではいつでも無料で送迎してもらえ、その割には室料が手ごろ。
なのですって。これなら言うことないわよねえ。
しかも、我が家のニーズにピッタリ!
2ベッドルームスイートがあり、ベッドはうさぎ憧れの天蓋がついており、
インテリアがいかにもバリ!!っていう感じで、ライステラスが目の前で。
おまけに室料が、予算の3分の2!
しかも、感じの良いホテルであることが、最初のメールへの返信で確信できてしまった。
「できれば2ベッドルームスイートが希望なのですが」と書いたら、
「2ベッドルームスイートなら、ございますとも!」という返信が帰ってきました。
言葉って不思議。
外国語であっても、感じの良さは伝わるものなのね。
だからうさぎがこのホテルに夢中になって
周りが見えなくなっちゃったのも、ご理解いただけるでしょ?
でも実は、6泊の滞在予定のうち、アラム・ジワがとれたのは最初の4泊だけでした。 なので、あとの2泊は別のところを探さなくてはなりません。 そしてそれにはまた別のドラマが待っていたのです。