ラササヤンからジョージタウンのシャングリラホテルまでは1時間半おきに無料のシャトルバスが出ている。
うさぎたちはラササヤン発12時のバスに乗って、ジョージタウンに行くことにした。
ただこのシャトルバス、行きも帰りも予約が必要なのが玉にキズ。
帰りはシャングリラ発5時半などと、出かける前から決めておかなくてはならないのが少々不便である。
12時過ぎにバスは玄関口にやってきた。ゴールデンサンズからの客で、既に座席はほとんど埋まっている。 うさぎたちはバスの運転手にフロントで貰ったチケットを渡し、空いている席に腰掛けた。
ジョージタウンまでは30分程度の道のりだった。 バスは途中までおととい空港から来た時に通った道を通り、それから別の道に入った。道路沿いにはきれいな町並みが続いた。
だが、そろそろシャングリラホテルに到着しようという頃、突然、町並みは見すぼらしくなった。ほとんど「スラム」である。
道の左右にびっしりと立ち並ぶ2階建ての建物はどれも外壁が汚れ、雨樋やベランダが壊れている。
よく見るとそれらには装飾が施されており、新しい頃はコロニアル風のオシャレな街並みだったと察せられるが、
今や見る影もない。いまだに漢字の看板が掛けられ、店屋として機能しているのが不思議なくらいだ。
ジョージタウンきっての高級ホテル・シャングリラは、その広い間口の前に歩道を配し、
そこにマレーシアの国旗が整然と並んではためいていたが、その広い道の向こう側はもう貧しい街並み。
ホテルの周りのほんの一角だけが、別世界なのであった。