フードコートのあとは食料調達。これはたまたま通りかかったSM内のデパートの一角ですませることに。 ほんとはどこかに激安スーパーがあるはずで、食料調達はそっちでしたいところなのだが、ここでフィリピンの、 というよりはむしろ中国系の珍しいお菓子やドライフルーツの棚にきりんがハマってしまい、 買い物かごを手にしたまま動かなくなってしまったのだ。 これは時間がかかりそうなので、子どもたちとうさぎは、さっき吹き抜けの脇でみつけたキャンディワゴンへ行くことにした。
キャンディワゴンに行くついでに、マクドナルドの位置も確認しておこうと、 うさぎはまたインフォメーションデスクのお姉さんのところへ。 既に3回目とあって、照れているうさぎをよそに、お姉さんたちはこれまた無表情で受け答えした。 入念な化粧、セットしたばかりのような髪でビシッと隙なく身を固めたこのお姉さんたちは、 〔愛想を振りまくなんてのは、安っぽい女のすることよ〕と言わんばかりに取り澄ましている。 この国には「美人は笑ってはならない」という掟でもあるのだろうか。
さて、キャンディワゴンの前に行って価格を尋ねると、100グラムが50ペソ弱だと言う。
あまり安い気はしないけれど、まあいいや。
お楽しみ程度に「100グラムづつ買っていいから」と子どもたちに100ペソを渡し、
うさぎはマクドナルドを探しにそこを離れた。
マクドナルドはどうしたことかみつからなかったが、代わりに別の店でウィンドーショッピングをし、
キャンディワゴンにもどって見ると‥! ネネが袋にどっさりキャンディを詰めこんでいるところだった。
「ちょっとアンタ、100グラムって言ったでしょうが!」
「だって100グラムって、どのくらいか分からないんだもん」とネネ。そこに秤があるだろうが!
袋を秤にかけてみると、ネネのはなんと280グラム、チャアのは可愛らしく90グラムほどだった。
ああもう、100グラムのキャンディがどの程度の量かは、カナダのキャンディワゴンで経験済みのはずなのに。
ネネには経験が全然生きていない。
うさぎはブツブツ文句を言ったけれど、でもどうしようもない。
あちこちのケースから集めたキャンディを戻すわけにもいかず、280グラム分買ってやるハメに。
更に、量が違っているのは争いの元なので、チャアにも同じだけ買ってやった。
あーもー! キャンディを500グラム以上も買う羽目になるとは。
地下ではどうせまたきりんが甘いものをどっさり買い込んでいるに違いないというのに。
このキャンディ、一体いくらになるのだろうと、ドキドキしながら待っていたら、 330.50ペソという数字が帰ってきたので卒倒しそうになった。 キャンディに1000円! 冗談じゃあないわよ! もう二度とネネにはキャンディワゴンのキャンディを買ってやらないから!
けれど、ここでもう一顛末あった。 100ペソ札を4枚出し、馴れない硬貨のおつりを数えながら「レシートを下さい」と言ったら、 お姉さんたちが妙に慌てだし、電卓でいまさら計算を始めたと思ったら、 レシートと一緒にもう91ペソおつりが返ってきたのである! ははあ、お姉さんたち、ごまかそうとしてたな。 ことお金に関してはしっかり者のうさぎがおつりを数えたりレシートを請求したりしたから、 怖くなって返してきたと見える。まあ何であれ、ごまかされなくて良かった良かった。 これでも600〜700円かかっているんだから、あんまり良くはないけどさ。