Palau  パラオ

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【 予定がある日 】

レセプション

小さな宿の欠点は、朝食の時間を前の晩には予約しなくちゃならないことである。 スタッフの数が限られているから、そうしないとうまく回らない。 でも、朝食の予約は気がめいる。 「7時にお願い」と頼んでしまったら、明日はどうでも7時に起きなきゃならんじゃないか!!

うさぎは、何も予定が入っていないカレンダーが好きだ。 予定はキライ。たとえそれが楽しい用事であっても。 旅行の予定でさえも、一週間前くらいになると、なんだかちょっと憂鬱になってくる。 絶対飛行機に乗り遅れることがあってはならないと思うと、それだけで疲れる。

だから基本的に、わが家の旅に「予定」はない。 何をするかどう過ごすかは、その日その日、朝起きてから考える。 旅に出てまで「明日は朝何時に起きる」などと決めたくはない。 もしかしたら明日は疲れているかもしれないし、もっと眠っていたいかもしれない。 そうやって自分を甘やかしたいのだ。 なのに、朝食を前もって予約しなくてはならないとは‥。

だけど今日は、朝食の予約なんか全然気にならないくらい、もっと大きな予定が入っていた。 こんなことは珍しい。 わが家がオプショナルツアーを予約するなんてのは。

朝食のあと、レセプションの前の椅子に腰掛け、迎えの車を待っていると、 ワゴン車が何台も、次から次へとやってきた。 そのたびにうさぎたちは腰を浮かせて半分立ち上がり、 ポーチから首を伸ばして、自分たちのお迎えかどうかを確かめた。

けれどもそれらはみな、あとからやってきた別の宿泊者たちを乗せて行ってしまった。 これでもう何組目だろうか。 リゾートで日がなのんびり過ごすのが西洋人の流儀だなんて、いったい誰が言ったんだ? ここの人たちはみな、朝っぱらからハシハシとお迎えの車に乗って出かけてゆくじゃないか。 なんだ、やっぱりみんな、予定を入れているんだな。 ダラダラ過ごしたいのは、うちだけか。

◆◆◆

最後になって、ついにわが家にもお迎えがきた。 さあ我々も、出かけるとしよう。

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