Palau  パラオ

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【 いざ漕ぎ出でん! 】

PPRの桟橋

今日のカヤックツアーの船は、パラオパシフィックリゾート(PPR)の桟橋から出る。 車でPPRに到着して、ツアーの開始を待っていると、 ガイドさんに「バスタオルを持ってきましたか」と尋ねられた。 困った。 持ってきていない。 カヤックツアーにそんなものが必要だとは思わなかった。

「PPRのタオルステーションで借りてこよう」ときりん。
「ああ、そうだ! その手があった!」うさぎは一瞬明るい気分になったが、次の瞬間また不安になった。 「‥って、PPRの施設利用パス借りてくるの、忘れたかも〜!」

小さなキャロラインリゾートの宿泊者は、 大きなリゾート・PPRの諸施設が無料で利用できることになっている。 プールで泳ぐこともできるし、タオルステーションでビーチタオルを借りることもできる。 でも今日はうっかりその権利の証明となるパスを忘れてきてしまった。 となると、もしかしてタオル、借りられないかも‥??

ごちゃごちゃ言っていると、隣で聞いていた同行のご夫婦が切り出した。
「もしよければ、2枚お貸ししましょうか? うち、4枚も借りてきたから」
これは有難い! 早速そのお言葉に甘えることにした。 よかった、ツアーメイトが感じの良い人たちで‥!

◆◆◆

PPRの入り江は美しい。 空は快晴。 持ち物チェックを終えると、毎年関西からパラオに通っておいでのダイバーご夫妻とわが家4人、 それにガイドと運転手、総勢8人は、 この人数にはちょっと贅沢な大きさの船にカヤックを積んで桟橋を出発した。

カヤックツアーの魅力は、自分の力でこぐカヤックで秘境探検をすることであるが、 その入口までは動力を使って行かなくてはならないというのが、いまいち腑に落ちないパラドックスではある。

けれども、船がえらい速度で走り始めると、「動力もいいものだ」という気がしてきた。 巻き起こる風と跳ねる水しぶき。 白い船は緑の大海原を切り裂いて進む。 エンジン音の轟音も、体を揺るがすような振動も心地よい。 ‥と言っていられるのは、酔い止めを飲んでいるせいだろうか。

この海はずいぶんと浅いようだ。 辺りの海は明るいエメラルドグリーンをしている。 船は、色の濃くなったところを選んで進んだ。

前方にニューKBブリッジが見えてきた。 バベルダオブ島とコロールを結ぶという、日本製の立派な橋。 どうやらアラカベサン島の周りをぐるりと回ってきたらしい。 やった! 船はアイライ方面に向かっているのだ!

カヤッキングに向くスポットはいくつかあって、 同じ会社の同じツアーでも、その日の天候や潮の具合によって行き先を選ぶらしい。 人気スポットの多い南のロックアイランド方面へはどのみち別の日に行くだろうと思ったので、 今日はできることならマイナーな北のアイライ方面へ行きたいと思い、 「アイライに行くこともあるかしら〜?」と昨日申し込みするときに、一言つぶやいておいた。 それが効いたのかもしれない。 昨日は南の方へ行ったらしいが、今日はバッチリ、アイライだ!!

船は、アイライ州の入り組んだ陸地近くにくるとエンジンを止め、積んできたカヤックを次々と降ろした。 積んできたカヤックはほとんどが二人乗り。 チャアときりんは先に行ってしまい、ネネとうさぎが後に残された。 うさぎは、先に行った二人がカヌー漕ぐ雄姿を写真に収めた。 カメラは、フォトスタジオで借りたハウジング付きのものだ。

それが終わると、さあ、わたしたちも後を追わなくちゃ。 秘境探検のはじまりはじまり〜!

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