Sudan  首都ハルツーム

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【 サイフがないっ! 】

名門ハルツーム大学

さて、次は本当に「民族博物館」に行かなくちゃ。 「自然博物館」から「民族博物館」まではわずか1ブロック。 同じ通り沿いだし、7分も歩けばつくはずです。 ただ、そのたった7分の徒歩が、この灼熱の国では大変なのです。

歩道のなるべく日陰部分を探して歩いたつもりでしたが、3分後にはもうギブアップ。 流しのタクシーに思わず乗ってしまいました。

タクシーに乗った時点で、もう「民族博物館」はもう諦め。だって数百メートル先なんですもん。 タクシーがそんな利の薄い仕事をしてくれるわけがない。 民族博物館は帰りにでも寄ることにして、先にハルツームの新名所「ブルジュ」に行くことにしました。

ところが、このタクシーの中で、ショックな事実が発覚!

なんと、サイフがないっっっっ!!!!!!

やられた! さっきの記者男か?! とっさにそう思いました。でも確信はない。

思い返してみると、最後にサイフの存在を確認したのは、バスを降りるときだったと思います。 バスの中は混んでいたので、さすがに心配で、バックの中にサイフがあるのを確認して降りたんだった思う。

そのあとバスターミナルで、バッグから地図を取り出し、水筒を取り出して水を飲んだから、そのとき落としたとも考えられる。

博物館まで行ってくれるタクシーを捜しているときは必死だったから、バッグのことを考えている余裕はなかった。

やっと見つけたタクシーの中では、友達とどちらがタクシー代を払うかで、ゴチャゴチャやってたから、 そのときタクシーの中にサイフを落とした可能性もある。

博物館の入場料も、友達が二人分まとめて払ってくれたので、サイフの存在を確認していない。

博物館の中は空いていたので、すられる可能性は極めて低いけれど、 水筒やらカメラやらをバッグから始終出し入れしていたので、落とした可能性は充分にある。

とにかく、落としたにせよ、盗まれたにせよ、サイフが戻ってこないことだけは確かです。 だってサイフには現金しか入れてなかったんだもの。 スーダンはアメリカの制裁により、クレジットカードが一切使えないので、 カード類を入れていなかったのは不幸中の幸いですが、 住所や名まえを示すものも一切入れていなかったので、たとえ親切な人が拾ってくれていたとしても、 わたしの手元に帰ってくる可能性はほぼゼロに等しい。

今から考えると、どうしてあのときせめて、博物館に戻って探さなかったかと思いますが、 なんとわたしはそこで、諦めてしまいました。 両替しようと100ドルの米ドル紙幣を一枚入れてきたので、 円換算で1万3000円くらい入っていたんですけど。

なぜそんな大金をあっさり諦めてしまったのか。 今から考えると不思議ですが、 うーん、やっぱり暑さのせいでしょうか?

とにかく今は、早くブルジュに着いて、冷たいジュースでも飲みたい。 1万3000円を取り戻すことより、そっちの願望のほうが強かったんだと思う。 暑さって、体力ばかりか、気力まで奪うのであります。

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