暑さのため、博物館に行く気はなくしたわたしたち。 ブルジュからタクシーで家近くのスーパーまで帰ることにしましたが、 ここでまた事件発生!
ナイル沿いの道を走っているとき、友達が車窓で風景写真を撮っていたんです。 すると、後ろから「止まれーーーーーー!!」というものすごい剣幕の怒号が飛んできて、 タクシーの運ちゃんは慌てて車をストップ。 後ろから、憲兵と思われる声の持ち主が追いかけてきて、ものすごい剣幕で運ちゃんと言い合いを始めました。
どうやら、「彼女が写真を撮るのを、俺は確かにこの目で見た!」と言っている模様。 ナイル川の景色を写真に撮ったのがまずかったようです。
・・・っていうか、基本、スーダンて、街中どこでも写真撮影は禁止なんです。 でもまあ実際は、軍事施設とか、そういった特定の場所で撮らない限り、特に問題はなかったので、すっかり安心しきっていた。 そこへこの顛末。 この道は政府機関などが並んでいるので、取り締まりが行われていたのでしょう。
とにかく、問題は写真であることは確かなので(そういうアラビア語だけはなぜかカンペキに聞き取れるわたしたち^^;)、 憲兵と運転手が言い合いしている隙に、証拠隠滅〜! つまりこの道で撮ったデジカメのデータを消去してしまいました。
でもかわいそうに運ちゃんは免許証を取り上げられ、それを返してもらいに、交番みたいな大きさの憲兵の派出所までとりに行くハメになりました。 心配して「ごめんねー」と謝るわたしたちに、「大丈夫、大丈夫。心配するな」という運ちゃん。 本当に人がいいんですよねえ、スーダン人は。
そのあと憲兵にカメラを貸せと言われましたが、すでにデータは隠滅済み。 わたしたちも車を降り、わたしは液晶を見せながら「シューフ! シューフ!(よく見て!)」とまくしたて、友達は泣きまねするわで大奮闘、大熱演。
液晶でデータがないことが確認されると、ついさっきまで怒鳴っていた憲兵の表情が一瞬で緩み、ワーッハッハ!と大笑い。 タクシーの運ちゃんと肩を抱き合い、握手を交わし、免許証を返して、無事我々は釈放されました。
さっきまで口角泡を飛ばしてやりあっていた憲兵と運ちゃんが久々に会った古い友人同士か何かみたいに肩を抱き合っているのをみて、わたしたちは目をシロクロ。 でも、何はともあれ、よかった〜!
状況から察するに、たぶんこの憲兵さん、わざわざわたしたちに証拠隠滅する猶予を与えてくれたんだと思う。 撮影者を捕まえて罰するのが目的ではなく、データが残りさえしなければいいのですね、きっと。
わたしはこのハプニングに感動し、おもわず記念に、憲兵さんと運転手さんの2ショットを撮ろうかと思ったくらいです!(笑)