タイ航空641便バンコク経由プーケット行きは午前11時前に離陸した。
この飛行機はボーイング747(ジャンボ)機で、3・4・3の座席配置だ。
おっとラッキー、わが家は四人でくっついて座れる真ん中の4座席ではないか。
しかも後ろが壁だから、リクライニングを倒しっぱなしにできる!
‥と思ったら、これじゃ窓の外が見えないとチャアが騒ぐ、騒ぐ!
しかも、後ろの壁が近すぎてほとんどリクライニングができない!
スクリーンは遠い。これってかなり不幸かも‥。
しばらくすると、スナックと飲み物が配られた。
ここでタイ人のスチュワーデスさん (美人!) が、ネネに英語を話すチャンスをくれた。
リンゴジュースをただ指で指し示したネネに、
"What's this ?(これは何?)"と聞き返し、
ネネは"Apple juice (アポジュース)"ときれいな英語で言ってのけた。
ついでに"Thank you" とも言えた。「英語であそぼ」をダテに毎日見ちゃいない。
スチュワーデスさんたちは、タイシルクでできた七分袖の衣装を纏っていた。 色はクリーム色だったりエンジだったり様々。
色とりどりの民族衣装を見ていると、
もうタイにいるようで、ちょっとトクした気分♪
まるで日本人と変わらない顔つきのスチュワーデスさんがいたので、胸のネームプレートを見たが、 そこにはおよそ日本名とはかけ離れた名前が書かれていた。
機内食は現地時間(日本標準時−2H)で10時過ぎに配膳された。
皿にかけられた赤紫や緑のホイルがタイっぽくて嬉しい。
ネネとチャアにフィッシュ、うさぎときりんはビーフを頼んだが、きりんの分は売り切れて、
代わりにタイ風のエビ料理が配膳された。
「えっ、エビ? ラッキーじゃん!」と、海産物の好きなうさぎ。
だがきりんは渋い顔で、「全然ラッキーじゃないよ」。
「じゃ、とりかえてあげようか」と言う前にふと見れば、エスニックな味付けのエビに、タイ米がつけあわせてあり、
食べてみると、食べなれない味。
とてもおいしいとは思えない。うさぎは思わず言葉を飲み込んだ(ゴメンネ、きりん)。
子供たちの魚や、うさぎの牛肉の炒め物はおいしい。どのメニューにも共通についているおソバも、まあまあだ。
バンコクまでの道は長かった。機内食が終わると、うさぎは5分おきに時計を見、子供たちも、
「まーだぁ? まーだぁ? まだ着かないの?」を連発。
クルーにもらった変てこなシール絵本 (チャアのは、ガイコツやらフランケンシュタインのシール)
も退屈しのぎの役に立たない。映画を見たくても、座っているとスクリーンが見えないのが残念だ。
結局、時間を早くやり過ごすのに一番なのは、寝ることだった。 チャアはひとりで座らせておくと前の席を足で蹴ってしまうので、うさぎが抱っこすると、すぐに眠ってしまった。 ネネもポケモンのゲームボーイを少しやると眠くなり、うさぎも少し眠った。 きりんはしっかり映画がを見おわってから昼寝に入ったらしい。 いいわね、首の長い人は。こんなところからでもスクリーンが見えて。
バンコクで機材変換の為、一旦降り、ほんの30分くらい時間があった。 この時間を利用して、うさぎは円をバーツに替えたり、免税店をウロウロした。 子供たちは、フロアの隅にある遊具で遊んだ。
免税店のオバチャンはうさぎを中国人だと思ったようだ。
わけのわかんない言葉でうさぎに話しかけ、どうやら通じてないと悟ると、うさぎの肩を叩きながら、
聞き取りづらい英語でこう言った。
「中国人じゃないの? えっ、日本人? あら、ごめんなさいね〜」
オバチャンはうさぎの後をついてまわり、うさぎが"Just looking"(見ているだけ)を連発しているのに、
ごちゃごちゃとあれこれ勧めてきた。そして挙句の果てに、
「プーケットは寒いから、スカーフを買って行け」
だとお? まさか!
バンコクからプーケットまではあっという間だった。 5時にバンコクを発ったと思ったら、軽いお弁当型の機内食が出て、6時過ぎにはプーケットに着いていたのだから、 飽きる間もない。
ネネとチャアは男性クルーに誘われて、機内探検をしたり、パズルだの絵ハガキだのを貰って喜んでいた。 まるっきり日本人の顔をした (でも日本語を喋らない) この男性クルーは、子供好きなひょうきん者で、 突然面白い顔をして出てきたり、コップに顔の絵を描いてプレゼントしてくれたりした。 ネネはこの顔の描かれたコップを「カップ君」と呼んでいるけれど、 それってタイ語で「ありがとう」の意味の「コープクン」 (コープンカーッ、みたいに聞こえる) みたい。
カップ君、遊んでくれて コープンカーッ
なんちゃって。
機内食のお弁当は、オレンジジュース、水、ハム、アスパラのサラダ、デザートの詰合せだった。 デザートはサツマイモの千切りをココナツミルクで固めたもので、甘くて美味しかった。 でも子供たちの口には合わないみたい。 バラ状のハムも「からい」そうで、ネネ曰く「好きなものが全然ない」ですって。 アスパラにかけたマヨネーズはキューピー製 (マーク入り) だが、やけに甘い。 内容を見ると、なんと、砂糖が19.4%も入っている。 タイ人って辛いもの好きと聞いているけれど、甘いものも好きなんだろうか。味が濃いのが好きなのかなあ?