冷たい煎茶の愉しみ
毎年夏は麦茶一辺倒のわが家ですが、 今年は新しい習慣が加わりました。 冷たいお茶を飲むことです。
数年前からペットボトル入りの冷茶を飲むたび、 この美味しさを家でも手軽に作って味わえないものかと思っていました。 ただネックは保存性。 家で煎じたお茶は30分もすると黄色っぽくなり、そうなるともう飲めたものではない。 だから作りおきが出来なかったのですね。 いつまでもきれいな色と美味しさを保つ市販の冷茶が不思議でなりませんでした。
ところが今年、冷茶の作り方を知りました。 湯で煎じて冷やすのではなく、最初から水で出すのです。 できるだけ冷たい氷水で作って冷蔵庫に入れておくと、 丸一日涼しげな緑色のまま。 そしてその色を保っているうちは美味しく飲めるのです。
これは目からウロコでした。 煎茶が水で出せるなんて! しかも美味しい!
とはいえ、普通の茶葉に水を注いでもなかなか濃くは出ません。 そこで粉茶を混ぜるのです。 粉で色と味を補う。
冷茶用にブレンドされた茶葉も売られ始めました。 粉茶は上等な部分を取り除いた残りの茶葉を利用できるので、比較的安価です。
今飲んでいる冷茶があまりに美味しいので、母や叔母たちにも送りました。 「水で出して」と念を押したにも関わらず、みな湯で煎じている様子。 分かる分かる、その気持ち。 水出しで美味しいお茶が飲めるとは、にわかには信じがたいのでしょう。 先入観とは頑固なものですね。
初稿:2007年8月2日