夕食にスパゲッティミートソースを作りました。 けっこう美味しそうにできました。
そうだ! デジカメで写真に残しておこうっと!
スパゲッティがのびるのを気にしつつ、うさぎは撮影の準備に取り掛かりました。 どうせなら、美味しそうに撮りたいから。
まずはテーブルクロスを広げるでしょ。
お皿が青いから、クロスも青系がいいかしら。
ところが、テーブルではすでにきりんとチャアが食事を始めていました。 なので、テーブルクロスが敷けない。 しかたがないのでうさぎは、床にクロスを広げました。
テーブルクロスの上にお皿を置いて、ついでにフォークなんかも並べてみたりして。
カシャッ
ピカピカッ!
‥ん?
オーマイガーーーッ!
誰がフラッシュを焚いていいと言ったーーっ?!
‥くすん、フラッシュをオフにするのを忘れていたわ。 ホワイトバランスは電球色にセットしておいた。 そこに青白いフラッシュが焚けたものだから、すごい色になっちゃった。 それに、パルメザンチーズを振るの、忘れていたわ。
フラッシュはオフにした。ホワイトバランスも再確認した。 チーズも振った。こんどこそは――。
おお、なかなかいい感じ。
そうだ、試しに輪郭強調を弱めにしてみよう。
カシャッ
‥なんか変わっただろうか??
こんどは輪郭強調をオフにしてみよう。
カシャッ
‥なんか変わった??
‥まあいいや。今度は、すこし退いて、ズームで狙ってみよう。
ぬなっ?! なぜボケる?!
‥って、おおっ、接写モードになっているではないか〜っ!
‥まあいいや。 次はちょっとナナメから狙ってみよう。
‥うーん、いまいち。 っていうか、いまに、いまさん、いまし。 なんかこう、お料理の本に載っている写真みたいに、カッコよく撮れないものかしらねえ‥。
でも、もしかして、もっともっと近づいて撮ってみたらいい感じかも〜?
‥ま、こんなもんかなー。
なんか後ろの方、テーブルクロスがよれてるけど。まあいいや。
ああ、おなかがすいた。もういいかげん食事にしよう。
うさぎは別にしておいたパスタを皿に追加し、パルメザンチーズを更に振りました。 写真に撮るときには、麺やチーズがあんまりたっぷりだとカッコ悪いと思って、 少しにしておいたのです。
でも、食べるときはたっぷりがいい♪
それに、やっぱりバターも乗せないと〜♪
ミートソースにバターって乗せる? ふつうは乗せないのかな。でもうさぎは乗せるの。バター大好きだから〜♪
‥でも、食べながら、ふと思っちゃった。
写真もバターを乗せて撮ったほうが、オリジナルっぽくてよかったかなあ??
って。 ああ、でも今となってはあとの祭り‥。
と、そこに電話のベルが。
「はい、もしもし〜?」
出てみると、バレエのレッスンに行っているネネからでした。
「いま駅に着いたとこ。これから帰るから」
「はいはい、気をつけてね〜♪」
ウフフフ〜♪ まだチャンスはあったんだわ!
ネネのスパゲッティというチャンスがっ!
うさぎはお湯を沸かし直しながら、ネネの帰りを待ちました。 そして食器棚からフチの黄色いお皿を出しました。 なんとなくさっきの青いお皿は、 ミートソースの色と相性がよくなかったような気がしたから。
でも‥。ネネはなかなか帰ってきません。お皿は出したし、お湯も沸いたのに〜!
うー、早く帰ってこい、早く帰ってこい〜っ!
ぴんぽーん!
あ、帰ってきた!
「お帰りっ! ねえ、今お腹すごく空いてる?
それともちょっと空いてる?
それとも普通に空いてる?」
「すごく空いてる」
「おしっ! それじゃあ180グラムだな!」
うさぎは、台所に戻ってパスタを180グラム、
くらくらと沸いている湯の中に投げ込みました。
うー、早く茹で上がれ、早く茹で上がれ〜っ!
ついにパスタが茹で上がりました。 それを半分ばかり皿に盛り、 その上にミートソースをかけ、チーズを振り、バターを乗せ‥。 でもねー、これが難しいの。写真の技術云々以前に、パスタをかっこよく皿に盛るのが。 まず皿の真ん中に均一になるように盛らなくてはならないし、 さりとて、妙にきっちり測ったように盛るのもわざとらしい。 お料理をさりげなーく、且つ美しく皿に盛るって、うさぎにはちょっとできないかも〜??
‥まあ仕方がない。 なにしろ、そういうことのために、スタイリストっていう商売があるくらいだものね。 素人にはできなくて当たり前かも。
まあとりあえず準備完了。今回は、テーブルクロスの柄にもちょっと気を使ってみました。 テーブルクロスの柄とお皿が並行だとなんとなくわざとらしいし、 さりとて、かっちり斜め45度っていうのも、作為的。 なので微妙に、36度あたりを狙ってみたりして〜??
で、一応最後に撮ったのがこの写真です。 どう? おいしそうに撮れているかしら?
実は最後に撮ったこの写真で、19枚目。 フィルムカメラじゃあ、とてもこんなことはできません。
昔、アイドルの写真集を一冊作るのに、プロのカメラマンはトラック1台分のフィルムを 使うんだって聞いて憧れたことがあります。
いいなあ、それだけフィルムを使えば、
さすがに素人でもいい写真の1枚や2枚、撮れるだろうになあ‥。
って。 でもいつの間にか、素人にもプロの真似ができる時代になったんですねえ。
12月14日付記:
この実録を読んだじゃじゃ丸@サイバー料理人さんより
貴重なアドバイスをいただきましたので、引用します。題して
料理の写真はやはり真上から撮ってしまうと平面的になってしまい、 ボリューム感が上手く伝えられません。
私もかなり撮りましたが望遠で撮って後ろをぼやかすとそれっぽいです。
あと、お皿を画面の中央ではなく少しずらすとグットかもしれません。
なるほど〜! やはり、真上から撮るよりも、斜めから撮って料理の"こんもり感"を出すのが 美味しそうに見せるコツなんですね!
ちゃんとそれに気付いたではないか>自分!
偉いぞ>自分!
後ろをぼかすとそれっぽいというのも納得です。 ただ、デジカメでボカすのは技術的に難しいですね。 被写体がそう小さくはないので、接写では難しいし、 望遠も、相当遠くから超望遠を使わないと、なかなかボケが出ません。 ‥となるとここもやはり、 ルーペ技の出番かな?
お皿を画面中央ではなく、すこしずらすというのは、 ピザ屋さんの広告などでよく見る手法ですね。 イメージを広げる効果が生まれるような気がします。 今後積極的にやってみたいと思います。
やはり、デジカメ上達の道は、いろいろやってみることに尽きますね。
ジャジャ丸、貴重なアドバイス、ありがと〜っ!